遠江見附(現:磐田市)に生まれました。生家は、見付宿脇本陣隣で旅籠屋(はたごや)を営んでおり、両親は国学に秀でていました。
半香は幼少の頃より画に興味を示し、10歳のころには掛川藩御用絵師・村松以弘に学びました。後に匂田台嶺、渡辺崋山に師事しました。半香は山水画を最も得意としていました。それは、崋山の門下には花鳥画を得意とした椿椿山がおり、山の薦めもあって、花鳥画ではなく山水画に腕を磨くようになっためです。そして「花鳥は椿山、山水画は半香」といわれるほどになり、崋山門下の双璧として人気を集めました。
本屏風は、半香が49歳の時の作です。代赭や藍などの淡彩をほどこし、半香独自のリズミカルな点苔で画面にアクセントをつけて、美しい山々の四季を風情豊かに描き出しています。