北澤映月は京都に生まれました。17歳で日本画家、上村松園に師事し、25歳の時、師松園の許しを得て土田麦僊の山南塾に入門しました。1936年改組帝展に初入選。
1938年再興第25回院展に初入選。1941年には再興第28回院展で日本美術院賞弟三賞を受賞し同人に推挙されました。以後、数々の大作を院展に出品し活躍を続けました。
女流画家である映月は、生涯、女性をテーマに作品を描き続けました。それらの作品には時代とともに移り変わる女性のファッションが、はんなりした色彩と細い線の美しさで表現されています。
本作は、1986年再興第71回院展に出品された映月の院展最後の出品作です。青々と生い茂った木陰に座る着物姿の女性が描かれ、清楚で気品漂う作品となっています。