■ ■平野美術館 収蔵作品紹介■ ■
紫地段花菱円文散草花模様縫箔小袖 (むらさきじだんはなびしえんもんちらしくさばなもんようぬいはくこそで)
茶色がかった紫地に三筋の縞、円形、花菱形などを辻が花風に染め抜き、あるいは染め出し、松竹梅、秋草などの草花文を刺繍と摺箔を併用した縫箔で表す。辻が花、縫箔という桃山期の代表的な染織技法によりながら、数多くの草花をバランスよく配するのは、同時期の染織品に多い大胆華麗な意匠とは異なる。その上品な意匠は、古くより京の西、桂の里に住み、石清水八幡宮などの巫女として宮廷などに出仕した伝統的宗教権威、桂姫(桂女)の晴れの小袖という伝承にふさわしい。 高松良幸(静岡大学情報学部教授)
茶色がかった紫地に三筋の縞、円形、花菱形などを辻が花風に染め抜き、あるいは染め出し、松竹梅、秋草などの草花文を刺繍と摺箔を併用した縫箔で表す。辻が花、縫箔という桃山期の代表的な染織技法によりながら、数多くの草花をバランスよく配するのは、同時期の染織品に多い大胆華麗な意匠とは異なる。その上品な意匠は、古くより京の西、桂の里に住み、石清水八幡宮などの巫女として宮廷などに出仕した伝統的宗教権威、桂姫(桂女)の晴れの小袖という伝承にふさわしい。
高松良幸(静岡大学情報学部教授)
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