■ 平野美術館 収蔵作品紹介■ 

作品名 重要美術品
二河白道図(にがびゃくどうず)
作者  
制作年代 鎌倉時代後期
材質・形状 絹本着色・額装
寸法 縦108.5cm×横39.5cm
 
        

二河白道図は、唐の善導大師の著である『観無量寿仏経疏』を絵画化したものです。往生を願う者が、現世の醜さをたとえた水と火の河の間を通る白道を渡り、極楽浄土へ辿り着く様を描いた浄土教絵画です。

本図では、霞により画面を三段に分け、下段には屋敷内で詩歌管弦にふける現世の世界を大和絵風に表しています。

中段には、極楽へと続く白道が真っ直ぐに伸びています。しかし、獅子、龍虎、毒蛇などがそれを渡ろうとする僧に襲いかります。そして、白道は今にも踏み外しそうなほど細く長い道のりで、往生を遂げるのは容易ではありません。

そして、水の河は「貧欲・執着心」を表し、財宝に囲まれた人物が描かれています。火の河は「怒り・憎しみ」を意味し、争いあう人間が描かれています。二河にのまれずに細い白道を渡るには、人間が陥りやすい醜い感情に負けず、信仰心を高く持つことが大切だと表現しています。

上方は白道を渡りきることができた、すなわち、往生した者が行ける極楽浄土の世界を描くのが通例ですが、ここでは菩薩たちを従えて来迎する阿弥陀如来が大きく描かれています。

 

 

 

 

 

 


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