江戸時代中期、中国で教養人の嗜みとして流行した文人画(南宗画)が日本に渡来し、京・大坂といった上方で日本的な文人画(南画)としてもて囃されたのち、江戸に伝わります。その南画を江戸で大成させたのが谷文晁です。文晁は、江戸画壇を代表する画家として知られ、その門下から渡辺崋山らの優れた画家を輩出し、関東を中心に19世紀日本の南画壇に大きな影響を及ぼしました。崋山門下の平井顕斎、福田半香、永村茜山などの画家たちによって形成された遠州南画も、江戸画壇系ネットワークの中に位置づけられます。
ところで文晁は、老中松平定信に仕えた画家としても知られています。定信は政治家として知られるとともに、古今和漢洋の様々な文化事象に興味を持ち、文化に関わる資料の収集、制作を行いました。また同時代の多くの文化人とも交流しました。その文化人としての定信の活動の一端が、定信の命で全国津々浦々の画家の作品を集めて作られた「楽翁画帖」です。
今回の展覧会では、「楽翁画帖」に収められる各地の画家の作品を通じて、定信の文化的活動を振り返ります。そして、その影響を受けた文晁一門の絵画作品、とりわけ遠州南画の名作を数多くご紹介することで、定信から始まる江戸時代の文人ネットワーク、その中での遠州南画の意義を再確認いただければ幸甚です。
■開催概要
- 会期
- 平成27(2015)年4月4日(土)〜5月31日(日)
- 開館時間
- 午前10時〜午後5時(入館は4時30分まで)
- 休館日
月曜日・5月3日、4日、5日、6日
- 観覧料
一般800円/中高生300円/小学生200円
※土日に限り小中学生は無料
※20名以上の団体客様2割引
※キッズアートプロジェクトしずおか ミュージアムパスポート利用可
※障害者手帳をお持ちの方、および介助者1名まで100円引(その他割引併用不可)
★ 割引券はこちら
- 交通
◎バス利用→JR東海道線・浜松駅より
JR浜松駅北口を出て、
[内野台行]乗車[元浜町]下車 (約8分)
遠州鉄道バス乗り場(12番乗り場)から◎車利用→浜松駅よりタクシーで5分
東名浜松IC、または浜松西ICから約30分 二俣街道沿い
- 主催
- 公益財団法人平野美術館、中日新聞東海本社
- 後援
- 浜松市、牧之原市、テレビ静岡、ケーブル・ウィンディ、K-mix、浜松中日文化センター、 中日ショッパー(順不同敬称略)
- 監修
- 松良幸(静岡大学 教授 専攻 日本美術史)
- 特別協賛
株式会社丸八アセットマネージメント
- お問い合わせ
公益財団法人平野美術館
〒430-0942 静岡県浜松市中区元浜町166番地TEL.053-474-0811
- 会期中の関連事業
特別講演会
「松平定信と文人ネットワーク」 ※終了しました
4月25日(土)14時ー15時
講 師/松良幸氏(静岡大学 教授 専攻 日本美術史)
定 員/先着30名(中学生以上)
参加費/無料(但し、本展観覧券が必要)
※要予約のため、事前に当館までお電話にてご連絡ください。
申込受付は4月4日(土)からとなります。
詳細は こちら●主な展示作品●
●福田半香「浅絳山水図」天保8年(常葉美術館蔵)
●村松以弘「白糸瀑図」江戸時代(掛川市二の丸美術館蔵)静岡県指定文化財
●椿椿山「花卉図」天保15年 (静岡県立美術館蔵)
●平井顕斎「跋陀羅尊者(十六羅漢図の内)」(日照山圓成寺蔵)静岡県指定文化財
●木村蒹葭堂「蘭に霊芝図(『楽翁画帖』の内) 寛政12年
●蠣崎波響「水芭蕉図(『楽翁画帖』の内)」 寛政12年